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今日は準夜勤務。
交代の時から、容態が悪くなった患者がいた。
もう、まもなくその時は来る。
そういった状態で、私はその最期を見守るように、先輩から言われた。

ぞくぞくと集まってくる家族。
子どもさん。
お孫さん。
そして、お友達。

すすり泣きが部屋中をうめつくす。
耐え切れなくて自分まで泣いてしまう。

祖母が亡くなった時のことを思い出した。
私は臨終に立ち会えなかった。
脳梗塞は患っていたものの、自然死だった。

死に目に立ち会いたかったという思いはあったけど、こんなにたくさんの機械に囲まれて、家族もさぞかし辛いだろうと思った。
どうみても、機械に生かされている状態で、それでも尽きていこうとする命。


今週はじめにはじめて受け持ち、その第一日目が気管切開だった。
私とは、なにも会話を交わすことなく、この方は身罷られた。
本人さんとは、会話をかわした思い出はないけども、家族の方とはよく話した。

「こっちの言ってる事よくわかってはるねー。」
「話せないけど、なにか言いたそうにしてはるね。」
「しんどいけど、もう少し!頑張ってね。」
「みんな、応援して見守ってくれてるよ。」


そんな言葉を、家族共にかけ続けた。

そういった言葉が今日は
「よくここまで頑張ったね」
「辛かったね」
「もう楽になるからね」

といった言葉に代わった。

レントゲンや検査結果で一喜一憂していた日々。
もしかしたら・・・
主治医も私たちも、希望をもってケアにあたっていたのだけど、やはり逆らえないものもあるんだろう。

でも、たくさんの家族に見守られて、この人は幸せだなぁと思った。
この人の命を受け継いだ子どもや、孫に温かく囲まれながら、手を握ってもらいながら迎える最期に、他人ながら、感動したし、少しの間だったけど、関わることができて、そして最期に立ち会えたことに感謝したい。
たくさんのことを、学ばせてもらってありがとう。

苦しみ、頑張られた分、今はどうか安らかに。
家族やお孫さんを見守ってあげてください。
by himenobile | 2006-09-10 04:34 | ♪看護&医療

チャリンコを走らせながら日々の思いを書き綴る、小ナスの言いたい放題日記 


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