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深夜勤務

昨日はワールドカップがあったので、朝の4時から起きて観戦し、そのまま出勤。
日勤を終えてグッタリしながら、そのまま深夜勤務。
もう、腸が休ませてくれ~。お願いだから寝てくれよ~といってるのがわかる。
お腹が張るわ、お腹痛くなるわ、でもお腹すくわ、食べるわ、さらにお腹痛くなるわ、頭重いわで最悪のコンディションだった深夜。

朝の4時前に目覚めた患者さんがいて、「寝れないの?」と聞くと
「早く寝かせられたから目がさめたんだよー」と。
お腹も減ってるみたいで、じゃあご飯にしようか~と言いながらマウスケア。
「お口開けて~」って言ったら、普通の患者さんは嫌がるんですけど、この患者さんは大口を開けてくれる。
「おっき口ねェ~」といいながら、ゴシゴシマウスケア。
すると「昔吹奏楽やってたからね」と一言。
「え?ほんと?何やってたの?」と聞くとフルートをやっていたらしい。
フルートで大口?と頭に疑問符が浮くも話題は音楽ネタで盛り上がる。

彼はバッハが好きらしい。
ちなみに、私の目覚ましは「G線上のアリア」だというと、「おおお!!」と言って目を輝かしている。そんで、彼はモツアルトのような曲はあまり好きじゃないらしい。
ヴィヴァルディやヘンデルは?と聞くと好きだと言ってた。古典が好きなのか?

私はロシアが好きだ。というと、チャイコフスキーの4番はどうだのこうだの、うんちくを話してくる。こいつーいけるじゃねーか!!と感動して、ラフマニノフはどうだとか、早朝の暗~い観察室でクラシック話に花が咲く。
あまりにも長いこと話をしてるので、先輩が覗きにきた。
ちっ。
というわけで切り上げて、注入食開始。
「また話そうね。こんな話はできるとは思ってなかったね」
というと
「本当に。びっくりした」と患者さんも笑いながら言っている。

この患者さん、不穏行動が多くて、一枚モノのつなぎ服を着て、昼間は車椅子に落ちないようくくりつけて詰め所で過ごし、夜は目の届くように詰め所横の観察室に移される。
精神の病をもともともっているので、ぱっと見た目、あ・・・そっち系かぁ~と思うんだけど、ちゃんと話すと結構まとも。危険行動をとるのも、行動を抑制されたり、何も自分でできない生活からくるものなのかもしれない。
制限だらけの生活なんて、普通の人でも気が狂っちゃうよね。
不穏行動を起こさないほうがおかしいかもしれない。

でも悲しいことに、うちの病院では個別的な看護を提供といいながらも、一人に対応できる時間は限られる。一人で8人の受け持ちをもって、一日一人にかかりっきりになれないのが現実。
ましてや、重症患者さんも同時に受け持ったりするもんだから、こういう「今症状が安定してる」という患者さんは、関わる時間が少ない。
それがすごく残念。

本当はこういう病院にいるべきじゃないんだよなー。
次の施設待ちなんだけど、なかなか順番が回ってこない。
悲しい現実。
厳しい現実。

不穏行動を起こす高齢者が2~3人観察室に入っているときに、ひどいと思うのが音楽。
うちの観察室は有線が流れるので、いつも音楽が流れている。
ジャズが流れているときもあるけれど、こういう患者さんが多いときは「童謡」が流れている。
♪ゆうやぁ~けこやけぇ~のあかとーーんーーぼぉ~だったり、
♪アーィアイ、アーィアイ、おさーるさーんだよ~~♪

入ったとたんにずっこけそうになる。
患者さんはみんな何も言わず、ソレを聞きながら一日を過ごしているんですが、クラシックが好きだと話すこの患者さんはどういう思いで聞いているんだろう。
モツアルトは軽いから好きじゃないとか言ってるのに、「アーィアイ、アーィアイおさ~るさ~んだよー」と流れる一日。

今度こっそりクラシックにチャンネルを変えてみようかな。
新人の私にはチャンネル権はないので、やっぱり勝手に変えたらまずいかなぁ。。。
by himenobile | 2006-06-24 21:05 | ♪看護&医療

チャリンコを走らせながら日々の思いを書き綴る、小ナスの言いたい放題日記 


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