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深夜働くこと

怒涛の30時間ぶっとうしで起きて働くという経験をした私。
なんじゃこりゃあ~。
体は動くけど、頭痛がとまらない。
吐き気がとまらない。
胃が痛い。

こんな中深夜業務。
やっぱりさ、日勤してそのまま2~3時間家に帰って深夜ってきつくないかしら??
こんな状態で満足な仕事ができるのかしら。
深夜業務って思ってたよりも大変だし、休憩する暇もないし「仮眠」なんてものも全くないし。
だいたい、うちの詰め所の休憩室はソファーもないし、カーテンもないし、丸椅子がちょこんと机の前に置いてあるだけ。
休憩室っていう部屋もなくて、ナースステーションの棚の後ろに二人がちょこっと座れるだけ。
休憩はいらないということなんだろうか?


準夜さんからの申し送りを受けていて、一人で30人近くもの人をみなくてはいけないプレッシャーと、オペ後3件もわけがわからないままみなくちゃいけない現状にとまどった。
私なりに情報収集しても追いつかず、観察力がまだまだ未熟な自分の器を再認識させられて、限界をかんじた。
自分の中での、臨界点を軽く突破していた。
つきつけられる現実とたくさんの方を預かる責任感に押しつぶされた。
今までは、絶対に弱音を吐くことのなかった私。
「大丈夫?」って聞かれても、「なんとか頑張ります」と言って、必死で勉強して調べ物して、頑張っていたけどもう頑張れないと思った。
私を保っていた、何かが崩れた瞬間。

「私にはムリです」

はじめていった言葉。
走りつづけることがこんなにしんどくて、もう走れないと思ったのははじめての経験。
でも、もう出すしかなかった。
もう一言
「やめます」
まではいかなかったけれど、あのまま泣いていたらきっと言ってしまっていただろう。
涙を浮かべている私に気づいた先輩が、いろいろと配慮してくれた。
その気持ちはありがたかったけど、いつもなら悔しいから頑張ろうと思える自分がいるのに、それを思わない自分にも戸惑った。

やっぱり本当の限界だったのだと思う。

しょっぱなからそんな調子だったけれど、業務のほうはなんとか終えることができ、何事もなく終わることができた。
終わったのはお昼だったけれど。

吐き気と頭痛を感じながら、患者さんの所へいくと、
「本当に昨日も夜もよくしていただいて・・・ありがとう」
と言ってもらえたことだけが、救いだった。
朝早くから家族の人が来るたびに、「この人がよくしてくれて・・・」と、そういってくださることも嬉しかった。
たまたま、そういってくれる患者さんを受け持つことができたから、自分も救われたけど、もしこの状況で急変、ステルベンなんてことになってたら立ち直れなかったと思う。


「今日はじめての深夜やったんやろ?お疲れさん。帰ってちゃんとねーや」
そういってくれる患者さんもいた。
泣きそうになった。

患者さんから支えられるとことのほうが多い自分。
本当は私の方が患者さんを支えなければならないのに、と思う気持ちがあるけれど、最初からすべてが上手くいくはずなんてない。
最初からなんでもできて、患者さんを支えられることなんてできるわけがない。
それに、すべての患者さんを支えないといけないと思うこと自体が、間違っているのかもしれない。患者さんと看護者といえども人間同士。
同じ人間として支えあったりすることで、自分の存在価値を見出されている患者さんだっているんじゃないだろうか。
だって、親子以上の年が離れている患者さんだってたくさんいる。
そんな患者さんをたった二十年ちょっとしか生きていない小娘に、わかったようなそぶりで接しられるよりも、人生の先輩として頼ったり話をきいたり、お説教される事だって必要なはず。

なにもかも、自分で抱え込んで患者さんへ「何かをしてあげなくてはいけない」なんて思うことこそが傲慢なのかもしれない。

今の自分にできる精一杯のこと
それだけでいいや。
こんな私でも、待っていてくれる患者さんもいる。
退院しても顔をだして、その後を報告しにきてくれる患者さんもいる。

もう、それだけでいいじゃん。

今の私
等身大の私。

それをあるがまま受け入れよう。
あんまり背伸びしすぎるのはやめよう。

そんなことを思った長い長い一日半でした。
by himenobile | 2006-06-01 21:42 | ♪看護&医療

チャリンコを走らせながら日々の思いを書き綴る、小ナスの言いたい放題日記 


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